MTG重篤患者に向けるコラム1「他言語病」
2013年1月28日 TCG全般 コメント (9)
「他言語病」とは、英語及び母国語のカードよりも、自分と接点の無い生活圏の言語で印刷されたカードを愛してやまず、それの蒐集に走る状態のことを指す。
この病気に罹患すると、英語や母国語のカードがまったく魅力的に見えず、それどころか異物感すら感じてしまい、また他の言語のカードが光り輝いてさえ見えるようになる。
・他言語病の出現
他言語病の出現に関してはMTGの歴史も合わせて考察する必要がある。
私の知る限り、MTGで初めて英語以外のカードが出現したのはリバイズドからである。(もし間違ってたらごめんなさい)リバイズドは英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語で印刷されており、MTGに他言語というカテゴリが現れた瞬間である。しばらくしてポルトガル語やスペイン語も追加されたが、恐らくこの段階では他言語病と呼ばれるほど重篤な罹患をした者は殆ど居なかったのではないかと思われる。なぜなら、日本以外の国に対してはいずれの言語も殆どがアルファベットを使用しているため見た目にあまり差異を感じないし、日本のプレーヤーはこの時代、他言語に執着できるような情報基盤が出来ておらず、またプレーヤー人口も言語の壁のためそこまで伸びなかったと思われるからだ。
さらに時代を経て第4版、日本語版が印刷されることとなった。このとき、他言語病が疾病として世界に出現したのではないかと筆者は推測する。
右上の画像を見てもらいたい。明らかに変な日本語を刺青に入れている外国人の画像である。このような画像はこれだけではなく無数に存在する。意味の分かる我々には変なモノにしか見えないが、日本語の文字の形に魅力を感じる彼らには最高にクールなのだ。当然、これはカードの文字にも当てはまる。ひょんなことで日本語版のカードを仕入れた外国の人々は口々に「So Cool!!」と叫んでいたに違いない。
ともあれ、ここから他言語病はスタートする。日本語の導入により日本人にもMTGの門戸が開かれ、またネットによる情報基盤の確立によりイタリア語やドイツ語のカードを見る機会が増えた。さらに時代が進むと中国語、ハングル語、ロシア語、果てはプロモ限定であるもののサンスクリット語やアラビア語なども出現した。これが蒐集の対象にならないはずがあるだろうか。
昨今は言語に応じて適正な相場で取引を行うバイヤーやショップが増えてきた(気がする)。これは他言語病の患者を認識し、それらに対して適切な対処を行おうとするカード供給側の努力の賜物であろう。
・罹患の過程
他言語病を罹患するものには条件がある。まずカード資産をある程度持っている者に限られる。そもそも十分なカードを持っていない者は言語にこだわっている余裕が無い。続いて、その中でもいくつかの闘病経験があり、それを踏破しているものが罹りやすい。大体サプライ病や基本地形病、黒枠病等を踏破してから罹患するのが普通だ。何故なら、集めるものが無くなるからである。つまり他言語病に罹る者は基本的にエターナルプレーヤーが行き着くところまでイっちゃった人である。よって普通の人から見れば間違いなく異常だし、正常なMTGプレーヤーから見ても精神病院を勧められかねない状態である。これから闘病に入る予定の人、現在闘病中の人は周囲の理解を得られないのを念頭において、今後の闘いに備えてもらいたい。
最後に、最も重要な点がひとつある。
他言語病は空気感染する。健康な方は気をつけるように。
・他言語病の種類
一口に他言語病といっても二つの種類がある。それらについて概要を述べる。
1 特定の言語集中型
自分の構築するデッキを丸々一種類の他言語で統一しようするタイプである。「他言語は好きだけど、言語がばらつくとカードの枚数を悟られる可能性がある」等、自分の趣味とゲーム上の戦略を合致させようとする意見を聞くことが多い。しかし、エターナルのデッキを構築する場合、選ぶ言語とカードによっては絶対に不可能な場合があるため、「一種類のカード4枚を同じ言語で統一する」という派生型も存在する。重篤な場合、「ロシア語のデュアランないからデュアラン入れなくてもいいか」とか言い出す。ちょっと何言ってるか分からない。
2 他言語なら何でもいい型
タイトル通りである。私がこれに当てはまる。他言語を満遍なく愛するため、別段四枚とも言語が揃って無くても気にしない。またこれの派生として「一種類のカード4枚を全部違う言語にする」という意図的に散らす派生型も存在する。
見境なく集める人は手に入りやすい言語だけ妙に一杯持っていたりするので、所持言語に偏りが出るのが難点である。
また、この2種類は罹患した人間の変遷具合によりスワップすることがままある。1型だった友人がいつの間にか2型に罹患してた等もありうるので経過をよく観察すること。
・他言語病の弊害
他言語病の弊害は「金がかかる」ことである。これは言語によって値段が違うことだけを指しているわけではない。非常に高価なロシア語であろうと、比較的安価な中国語であろうと、他言語病患者は総じて「金がかかる」
何故なら、手に入りにくいからである。特別なルートを持っている人間以外は他言語のカードを間断なく仕入れることは不可能である。ということは新しいセットが出たり、急に使いたくなったカードがあったりした場合、その他言語が入手できない可能性が高い。しかし、使うために英語版や日本語版を買ってしまい、後々他言語を発見したらそちらを買いなおす等余分な経費がかかることがままある。また、そうでなくとも日本国内での人気言語である「ロシア語」「ドイツ語」などは妙に高い値段がついているので余計に金がかかる始末である。闘病期間は金銭の管理には十分注意してもらいたい。
・他言語病の利点
なんといっても「自己満足を得られる」である。なんせ自分のデッキのカードがまったく読めないカードで埋まるのだ。これが楽しくないわけが無い。一心不乱にデッキを磨き続けた結果みたいなのが見た目に分かるこの楽しさ。車をチューンする人の気持ちが分かる気がする。
・他言語病患者との付き合い方
万一他言語病患者と大会で対戦したときは「他言語好きなんですね」と一言言ってあげるといい。多分喜ぶ。筆者は間違いなく喜ぶ。
ただし、すでに仲良い人とかに言われると煽りだと思われるので注意が必要である。
しかしながら、前述したとおり他言語病は空気感染するので、見なかったことにして触れないのも一種の手である。
以上が他言語病に関するコラムをである。このコラムが、現在闘病中の者、これから闘病する予定の者、その他の病気と闘病中の者、なにいってんだこいつって思ってる者全てに対する優雅なMTGライフの一助になれば幸いである。
最後に、名言代わりに一闘病者の私の言葉を記す。
他言語病患者は終わり無き道を歩む孤高の戦士である
Hグチ商会
この病気に罹患すると、英語や母国語のカードがまったく魅力的に見えず、それどころか異物感すら感じてしまい、また他の言語のカードが光り輝いてさえ見えるようになる。
・他言語病の出現
他言語病の出現に関してはMTGの歴史も合わせて考察する必要がある。
私の知る限り、MTGで初めて英語以外のカードが出現したのはリバイズドからである。(もし間違ってたらごめんなさい)リバイズドは英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語で印刷されており、MTGに他言語というカテゴリが現れた瞬間である。しばらくしてポルトガル語やスペイン語も追加されたが、恐らくこの段階では他言語病と呼ばれるほど重篤な罹患をした者は殆ど居なかったのではないかと思われる。なぜなら、日本以外の国に対してはいずれの言語も殆どがアルファベットを使用しているため見た目にあまり差異を感じないし、日本のプレーヤーはこの時代、他言語に執着できるような情報基盤が出来ておらず、またプレーヤー人口も言語の壁のためそこまで伸びなかったと思われるからだ。
さらに時代を経て第4版、日本語版が印刷されることとなった。このとき、他言語病が疾病として世界に出現したのではないかと筆者は推測する。
右上の画像を見てもらいたい。明らかに変な日本語を刺青に入れている外国人の画像である。このような画像はこれだけではなく無数に存在する。意味の分かる我々には変なモノにしか見えないが、日本語の文字の形に魅力を感じる彼らには最高にクールなのだ。当然、これはカードの文字にも当てはまる。ひょんなことで日本語版のカードを仕入れた外国の人々は口々に「So Cool!!」と叫んでいたに違いない。
ともあれ、ここから他言語病はスタートする。日本語の導入により日本人にもMTGの門戸が開かれ、またネットによる情報基盤の確立によりイタリア語やドイツ語のカードを見る機会が増えた。さらに時代が進むと中国語、ハングル語、ロシア語、果てはプロモ限定であるもののサンスクリット語やアラビア語なども出現した。これが蒐集の対象にならないはずがあるだろうか。
昨今は言語に応じて適正な相場で取引を行うバイヤーやショップが増えてきた(気がする)。これは他言語病の患者を認識し、それらに対して適切な対処を行おうとするカード供給側の努力の賜物であろう。
・罹患の過程
他言語病を罹患するものには条件がある。まずカード資産をある程度持っている者に限られる。そもそも十分なカードを持っていない者は言語にこだわっている余裕が無い。続いて、その中でもいくつかの闘病経験があり、それを踏破しているものが罹りやすい。大体サプライ病や基本地形病、黒枠病等を踏破してから罹患するのが普通だ。何故なら、集めるものが無くなるからである。つまり他言語病に罹る者は基本的にエターナルプレーヤーが行き着くところまでイっちゃった人である。よって普通の人から見れば間違いなく異常だし、正常なMTGプレーヤーから見ても精神病院を勧められかねない状態である。これから闘病に入る予定の人、現在闘病中の人は周囲の理解を得られないのを念頭において、今後の闘いに備えてもらいたい。
最後に、最も重要な点がひとつある。
他言語病は空気感染する。健康な方は気をつけるように。
・他言語病の種類
一口に他言語病といっても二つの種類がある。それらについて概要を述べる。
1 特定の言語集中型
自分の構築するデッキを丸々一種類の他言語で統一しようするタイプである。「他言語は好きだけど、言語がばらつくとカードの枚数を悟られる可能性がある」等、自分の趣味とゲーム上の戦略を合致させようとする意見を聞くことが多い。しかし、エターナルのデッキを構築する場合、選ぶ言語とカードによっては絶対に不可能な場合があるため、「一種類のカード4枚を同じ言語で統一する」という派生型も存在する。重篤な場合、「ロシア語のデュアランないからデュアラン入れなくてもいいか」とか言い出す。ちょっと何言ってるか分からない。
2 他言語なら何でもいい型
タイトル通りである。私がこれに当てはまる。他言語を満遍なく愛するため、別段四枚とも言語が揃って無くても気にしない。またこれの派生として「一種類のカード4枚を全部違う言語にする」という意図的に散らす派生型も存在する。
見境なく集める人は手に入りやすい言語だけ妙に一杯持っていたりするので、所持言語に偏りが出るのが難点である。
また、この2種類は罹患した人間の変遷具合によりスワップすることがままある。1型だった友人がいつの間にか2型に罹患してた等もありうるので経過をよく観察すること。
・他言語病の弊害
他言語病の弊害は「金がかかる」ことである。これは言語によって値段が違うことだけを指しているわけではない。非常に高価なロシア語であろうと、比較的安価な中国語であろうと、他言語病患者は総じて「金がかかる」
何故なら、手に入りにくいからである。特別なルートを持っている人間以外は他言語のカードを間断なく仕入れることは不可能である。ということは新しいセットが出たり、急に使いたくなったカードがあったりした場合、その他言語が入手できない可能性が高い。しかし、使うために英語版や日本語版を買ってしまい、後々他言語を発見したらそちらを買いなおす等余分な経費がかかることがままある。また、そうでなくとも日本国内での人気言語である「ロシア語」「ドイツ語」などは妙に高い値段がついているので余計に金がかかる始末である。闘病期間は金銭の管理には十分注意してもらいたい。
・他言語病の利点
なんといっても「自己満足を得られる」である。なんせ自分のデッキのカードがまったく読めないカードで埋まるのだ。これが楽しくないわけが無い。一心不乱にデッキを磨き続けた結果みたいなのが見た目に分かるこの楽しさ。車をチューンする人の気持ちが分かる気がする。
・他言語病患者との付き合い方
万一他言語病患者と大会で対戦したときは「他言語好きなんですね」と一言言ってあげるといい。多分喜ぶ。筆者は間違いなく喜ぶ。
ただし、すでに仲良い人とかに言われると煽りだと思われるので注意が必要である。
しかしながら、前述したとおり他言語病は空気感染するので、見なかったことにして触れないのも一種の手である。
以上が他言語病に関するコラムをである。このコラムが、現在闘病中の者、これから闘病する予定の者、その他の病気と闘病中の者、なにいってんだこいつって思ってる者全てに対する優雅なMTGライフの一助になれば幸いである。
最後に、名言代わりに一闘病者の私の言葉を記す。
他言語病患者は終わり無き道を歩む孤高の戦士である
Hグチ商会
コメント
私は3型プロモ類で、今月からロシア語までプロモになってしまいました
なるほど、そういう考え方もあるのか!(´Д`
>マルシェさん
……?(゚Д゚ 発症していな……え…?
>エロまさん
それは思いつかなかった…
さすが他言語病界の重鎮、重篤具合が半端じゃないですね。
今後もご教授のほどよろしくお願いします。
併発型に関しては後ほどFoil病及び黒枠病のコラムも書く予定だから
そこで記述してみる。
個人的には少ないと思ってる。身の回りに併発だって断定できるほど集めてる人見ないしね。
私はレガシー始めたばっかでデュアラン1枚も持ってないくせにすでに3つの病気を抱えてます・・
どうせ黒枠欲しくなると思うと白枠デュアランが買えずにまずRBゴブリン組むために旧枠foil不毛4枚買って友達にTEの不毛とBADLANDS4枚ずつ買えただろ総突っ込みされました。